6月29日は何の日・・・?
「6月29日」は何の日かご存知でしょうか。
2と9で肉の日・・・?
6月29日は、「つくだ煮の日」です。
正保3年(1646年)6月29日は、つくだ煮と縁のある東京の佃島に住吉神社が造営された日です。この日にちなんで、平成16年(2004年)に全国調理食品工業協同組合が「つくだ煮の日」と定めました。
知っていましたか?
全国調理食品工業協同組合のHPはこちら:http://zenchoshoku.or.jp/info/?page_id=271
つくだ煮の主な産地
今では全国各地につくだ煮の産地があります。
「小豆島(香川県)」は、醤油の産地でもありつくだ煮が多く作られています。
広島市でもつくだ煮製造が行われており、1904年(明治37年)から1905年(明治38年)の日露戦争で広島が陸軍の橋頭堡(※注1)となった事から軍需に支えられていたという背景があり、1898年(明治31年)に楠原政之助が広島市中区にて漬物・つくだ煮の缶詰を製造し販売されていました。
焼津市(静岡県)は鰹のつくだ煮生産高が高く、地域によっては特徴のある製品が製造販売されています。
※注1:橋頭堡(きょうとうほ)とは、敵地などの不利な地理的条件での戦闘を有利に運ぶための前進拠点であり、本来の意味では橋の対岸を守るための砦のこと。
つくだ煮を多く食べている地域は?
ところで皆さんは、つくだ煮をどれぐらい食べていますか?
「つくだ煮の日」にちなんで、「家計調査(二人以上の世帯) 都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(平成26~28年平均)」から「こんぶつくだ煮」のデータを見てみました。
1位の富山市と51位の那覇市のこんぶつくだ煮への支出金額を比較すると、富山市は那覇市の5倍以上です。また、富山市だけでなく福井市や新潟市も上位であり、北陸ではつくだ煮を良く食べていることがわかります。
なぜ富山県民は昆布つくだ煮をたくさん食べるのか?
富山市は昆布の支出金額も購入数量ともに第1位であり、全国平均の約2倍です。昆布の国内採取量の90%以上が北海道であり、富山で採れるわけではありません。
では、何故これほどまでに富山県民は昆布を消費するのでしょうか?
昆布の採集は、江戸時代から盛んになりました。
北海道で収穫された昆布は北前船によって日本海の沿岸沿いの各地に運ばれました。その運搬を手掛けた業者には売薬業者が数多くおり、北海道から昆布を薩摩へ運び、薩摩藩は琉球王朝、さらには琉球から清国へ密輸し、清国からは漢方薬の原料が輸入されたとされます。
それが越中の製薬業者に売られたという流れがあったといわれています(昆布ルートとも言うそうです)。さらに明治時代になると、北海道へ移住した富山県民が、北海道の羅臼などで昆布漁を開拓し、採れた昆布を故郷に送ったことで、昆布の消費が拡大しました。
北前船による交易や越中売薬との関係、北海道への移住などにより、昆布は次第に富山県民の食生活に深く浸透していきましたが、その背景には真宗王国と言われ、精進料理が盛んな土地柄があります。
昆布は産地や成熟状況によって性質が違い、料理によって使い分けているという所が富山県民の昆布に対する並々ならぬ思いを象徴しています。
刺身の昆布締め、昆布かまぼこ、にしん昆布巻をはじめ、出汁としてだけではなく、独自の昆布料理がたくさんあり、なかでも圧巻なのは、海苔の代わりにとろろ昆布で全体を包んだおにぎりです。
富山県内ではコンビニでも飲食店でも見かけるほどポピュラーであるが、初めて見た人にはかなりのインパクトがあるでしょう!
つくだ煮は日本の伝統の味
つくだ煮は、小魚、小エビ、貝類、昆布などの水産物や野菜などの農産物を原料に砂糖、醤油、飴、みりん、調味料などで作られた濃厚な調味液を浸透させ甘辛く煮つめた加工食品です。
つくだ煮は、あまりに身近な食品だからなのか、空気のようであまり意識される存在ではありません。ところが、コンビニやスーパーなどで人気のオニギリでは、昆布つくだ煮の「おにぎり」が必ずランキングの上位に入っています。
普段は意識しないけど、皆さんが大好きな食べ物。それがつくだ煮です。
昆布だけに限らず、小魚、海苔、貝、ふき等々たくさんの種類があります。
つくだ煮の種類
つくだ煮の種類は、使用する原料によって分類されます。
昆布、わかさぎ、いわし、あさり、えび等を利用した水産つくだ煮。
ふき、葉唐辛子、豆など利用した農産つくだ煮。
いなご、くるみなどを利用したその他のつくだ煮に分かれます。
主な佃煮だけで118種類のつくだ煮があるといわれていますが、このほかに地方の特産品もいろいろあります。また、混合つくだ煮製品といって2品、あるいは3品を一緒に煮たつくだ煮もあります。
さらに、人気商品の昆布つくだ煮でも、塩昆布、角切昆布、昆布巻、しそ昆布など多くの種類があります。その他にあめ煮、でんぶ、しぐれ煮など、その形状や製造方法によって多種に分かれるので、これらを数えあげればつくだ煮の種類は相当な数になります。
つくだ煮原料の栄養価
つくだ煮は水産物、農産物などを原料とし、醤油、砂糖、食塩、水飴などで甘辛く煮詰めた加工食品ですが、素材をまるごと使用するため、各素材の栄養価をそのまま摂取することができる素晴らしい食材です。例えば海藻類は、ビタミンやミネラル、食物繊維などを豊富に含んでいます。
魚類・貝類には、良質なタンパク質や各種ビタミン、カルシウム、鉄、リンなどを多く含んでいます。一方農産類には、豊富な食物繊維や各種ビタミン、カルシウム、アミノ酸などが多く含んでいます。
珍しい食材では、畑のカルシウムと呼ばれる「いなご」。いなごには豊富なカルシウムが含まれております。
また、健康食材として大人気のくるみは抗酸化値が最も高く、さらに各種ビタミンや食物繊維、ミネラル、メラニン、マグネシウムなど人間の健康維持、増進に必要な成分が豊富に含まれています。
そんな原料をそのまま味わえるつくだ煮はまさに健康食と言えるのでないでしょうか。
つくだ煮は塩分が多い?
上記の通り、つくだ煮は水産物や農産物などを原料とし、醤油、砂糖、食塩、水飴などで甘辛く煮詰めて作られます。もともと軍需に作られたものでもあるため、どうしても塩分が多くなってしまいます。厚生労働省が推奨している1日あたりの塩分摂取量は6.0gですが、厚生労働省が実施している「国民健康・栄養の調査」では日本人が1日あたりに摂取する塩分量は推奨値を大幅に超えています。
塩分の摂り過ぎは日本国内でも大きな問題となっており、近年は「減塩」をテーマにした商品がたくさん発売されています。
カネハツ食品でも、長年みなさまに親しまれている昆布つくだ煮において、「減塩でおいしく」をテーマとした商品開発を行っております。
【健者のおすゝめ】シリーズは、ごま昆布やしそ昆布、椎茸昆布を一般的なつくだ煮(日本食品標準成分表2015年版「こんぶつくだ煮」)よりも食塩相当量を25%カットし、美味しさはそのままにした商品です。
これらの商品は、昆布をじっくりやわらかくなるまで旨味を凝縮して炊き上げることで、「減塩」でもまろやかでコクのある味わい深いつくだ煮に仕上げてあります。
塩分が気になる方へ「減塩昆布のスゝメ」
全国調理食品工業組合の役員、常務会メンバーの副理事として、カネハツ食品㈱ 代表取締役社長 加藤英敏も参加しております。
カネハツ食品は、つくだ煮の普及やつくだ煮の良さをお伝えし、日本古来の伝統食として、また食育として、さらに健康のための減塩でおいしいつくだ煮をお届けしています。
普段は意識していないかもしれないが、よく口にしているつくだ煮。
6月29日の「つくだ煮の日」をきっかけに、様々な種類のつくだ煮を食べてみてはいかがでしょうか。
厚生労働省 平成 29 年国民健康・栄養調査結果の概要
家計調査(総務省統計局)
家計調査(二人以上の世帯) 都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(総務省統計局)
全国調理食品工業組合
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