ナトリウムのはたらきと摂取量・食塩相当量について
ナトリウムのはたらき
ナトリウムは、成人の体内に約100g含まれている元素です。
主なはたらきとして、細胞外液の浸透圧の維持、糖の吸収、神経や筋肉細胞の活動等に関与するとともに、骨の構成要素として骨格の維持に貢献しています。
ナトリウムと食塩相当量との関係
ナトリウムは、ナトリウムイオンと塩素イオンが結合した食塩(NaCl)の形で摂取されることが多いです。 食品表示法に対応した食品の栄養成分では、「食塩相当量」として表示されています。食塩相当量は、ナトリウムに2.54(※1)を乗じて算出した値です。
食塩(塩化ナトリウム)に由来するもののほかにも、グルタミン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどに由来するナトリウムも含まれます。
<h3>食塩相当量の算出方法
食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54/1,000
※1ナトリウム量に乗ずる2.54は、食塩(NaCl)を構成するナトリウム(Na)の原子量(22.989770)と塩素の原子量(35.453)から算出したものです。
NaClの式量/Naの原子量=(22.989770+35.453)/22.989770 ≒ 2.54
ナトリウムの1日の摂取基準量
日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン(JSH2014)では、食塩相当量として1日6.0g以下が推奨されています。
平成28年国民健康・栄養調査における1日の食塩摂取量の平均値は9.9gでした。
男女別にみると、男性10.8g、女性9.2gであり、この10年間でみるといずれも減少傾向にはありますが、推奨量を大幅に超えています。
ナトリウムが不足するとどうなるか?
ナトリウムは通常の食生活であれば基本的に欠乏することはありません。
しかし、多量の発汗や激しい下痢の場合には欠乏し、疲労感や血液濃縮、食欲不振を起こしてしまいます。
熱中症対策や下痢の際は、水分だけでなく適度な塩分の摂取も必要となります。
ナトリウムを過剰摂取するとどうなるか?
現在の日本人の食生活では、摂取不足よりもむしろナトリウムの過剰摂取による高血圧・がんを主とする生活習慣病が問題となっています。
しかし、健康に特に問題のない高齢者の場合は、無理な減塩は食欲低下や脱水症状などを起こすこともあります。
したがって、極端な塩分制限には注意が必要です。
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