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管理栄養士が教えるイソフラボンの効率的な摂取方法

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骨がもろくなり、ちょっと転んだだけで骨折してしまうリスクの高い「骨粗鬆症」は、ご高齢の方に限らず、女性の場合、男性の3倍骨粗鬆症になるリスクが高い病気です。「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」でも、国内の骨粗鬆症患者数1,300万人の内、980万人が女性でした。(※1)

骨粗鬆症対策で大切なのは、丈夫な骨を維持することです。今回は、骨粗鬆症のリスクを抱える女性をサポートしてくれる、「イソフラボン」の特徴と効率的な摂取方法を解説します。

イソフラボンとは

イソフラボンは、大豆に含まれている成分です。構造が女性ホルモンのエストロゲンに良く似ているため、摂取すると女性ホルモンと同様の働きを期待できるとされています。

イソフラボンの効果

イソフラボンは、更年期障害や乳がん、動脈硬化など、さまざまな症状の抑制が期待されている成分です。(※2)なかでも注目してほしいのが、骨密度の維持を手助けしてくれること。

一般的に、女性の骨密度は40代の半ばを越えると急激に落ちていきます。骨密度が落ちてしまう理由はいくつかありますが、大きく影響するのは「閉経に伴う女性ホルモン分泌量の低下」です。女性ホルモンは卵巣や副腎、胎盤といった場所から分泌されるホルモンなので、閉経したり病気の治療で卵巣を摘出したりすると、外部から補充しない限り分泌量が下がったままになってしまいます。

注射や内服薬などによる女性ホルモンの補充療法もありますが、心筋梗塞や子宮がんなどのリスクもあるため、誰でも気軽に利用できるわけではありません。

ここまでをまとめると、丈夫な骨を維持するためには女性ホルモンが必要、しかし女性ホルモンの補充は簡単ではないということになります。 そこで役立てたいのが、構造がエストロゲンによく似ているイソフラボンです。(※3)数々の研究によって、イソフラボンも骨からカルシウムが流出してしまう働きを抑制し、骨の再合成を手助けしてくれることがわかっています。(※4)(※5)

ホルモン分泌量の低下に伴う骨密度の現象の防止策として、日常的なイソフラボンの接種がおすすめです。

イソフラボンの摂取量の目安

大豆イソフラボンの安全な摂取量の目安は、1日あたり70~75mg。(※6)また、特定保健用食品を使ってイソフラボンを摂取する場合は、1日あたり30mgを上限にするようにと政府がガイドラインを出しています。

一方で、平均的な日本人のイソフラボン摂取量は、1日あたり16~22mgとされています。たとえば、豆腐なら半丁で55mg、納豆なら1パックで65mg、無調整豆乳なら200ml(コップ一杯程度)で55mgのイソフラボンが含まれていますが、一般的な食生活を送っている人の大部分は、十分なイソフラボンを摂取できていないのが現状です。(機能性表示食品である当社の「サラダに!まめ」は、66gの摂取で1日25gの含有量です)

これを聞くと、「大豆製品をたくさん食べれば良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、健康的な食事は、「バランス良く食べること」が第一。大豆や大豆製品ばかりたくさん食べてしまい、イソフラボンを摂りすぎてしまうのは健康的とはいえません。先述のようにイソフラボンは構造がエストロゲンに似ているため、過剰摂取することで体が「エストロゲンがたくさん分泌されている」と勘違いしてしまい、プロゲステロンという女性ホルモンを分泌してしまいます。その結果、腰痛、腹痛、肩こり、めまいといった症状を引き起こしてしまう恐れがあるのです。

結果、毎日、無理なく適量を摂取する食習慣の見直しをしてみませんか?

骨を丈夫に維持するためにイソフラボンと相性の良い食べ合わせ成分

イソフラボンと相性が良いのは、骨をつくる「カルシウム」や「ビタミンK」、カルシウムの摂取を助けてくれる「ビタミンD」といった成分です。これらの成分は、魚介類や野菜などさまざまな食品に含まれています。骨を丈夫に維持したい場合には、大豆を含む少量多品種でバランスのとれた献立を毎日継続して習慣化することがとても大切です。

消費者に食に関する正しい知識と習慣化の手助けを!

イソフラボンの適切な摂取方法は、地道ではありますが、毎日コツコツと他の食品も含めてバランスよく組み立てることに尽きます。

イソフラボンに限らず、消費者に対して成分が持つ役割や、適切な摂取量、過剰摂取や不足した場合の影響の有無など正しい情報とともにそれの習慣化を助ける選択肢として、食材、レシピ、加工商品として提供し、消費者の健康と豊かな食生活につなげる提案をしていくことが我々、食品業界に従事する者のミッションではないでしょうか。

※1一般社団法人日本骨粗鬆症学会:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版
http://www.josteo.com/ja/guideline/doc/15_1.pdf

※2日本産科婦人科学会雑誌:女性の健康とエストロゲン
http://www.jsog.or.jp/PDF/60/6009-252.pdf

※3食品安全委員会:大豆イソフラボンの安全性評価について(案)
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc_daizuisofurabon170428.pdf

※4日本産科婦人科学会雑誌:「症例・プライマリー・ケア(救急)骨粗鬆症」若槻明彦
http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5803-027.pdf

※5公益社団法人日本農芸化学会:Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry.Vol.65,No.5,1211-1213
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1271/bbb.65.1211

※6食品安全委員会:大豆及び大豆イソフラボンに関する Q&A
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0202-1.html

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